2009年7月17日
外張断熱工法は、外装材が断熱材によって外側に持ち出された形で躯体に留め付けられます。そのために断熱材の厚さの増加に伴って、外装材の垂れ下がりや地震時の外装の脱落、損傷について懸念が生じてきます。
そこで静的加力試験と震動台実験を行い、それぞれの場合の外壁材の垂れ下がり量の測定、外壁の損傷程度を測定し、検証を行いました。
ビーズ法ポリスチレンフォーム保温板(EPS)、押出法ポリスチレンフォーム保温板(XPS)、硬質ウレタンフォーム保温板(PUF)、フェノールフォーム保温板(PF)の4種類の発泡プラスチック断熱材による標準的な外張断熱工法についての静的加力試験を行いました。
【実験に使用した断熱材厚さとファスナーの組合せ】

【外張断熱工法 外壁の概要】

質量50kg/m2の外装材への荷重による垂れ下がりを試算すると

このときの垂れ下がり量を上図より求めると、質量50kg/m2の外装材への荷重による垂れ下がりは0.2mm以下ということが分かりました。
外装材からの荷重による垂れ下が量は微小であり、実用上問題ないと判断できます。
外張断熱を施した実大壁試験体を用いて震動実験を行います。加震波は、阪神大震災時に観測された地震波(JMA神戸)を主に、水平加速度約800galの加震を4回計測いたしました。


上図に示した一例の様に、躯体と外装材の応答加速度はほとんど一致しており、実験後に試験体を触診しても緩みや損傷が発生していないことが確認できました。
また、加震後に垂れ下がり量を確認しましたが、その範囲はプラスマイナス2mm以下でした。この値は躯体の変形も含んでいるため、外張断熱工法の外装材支持耐力が大きく低下したものではないと判断されます。
【加震後の垂れ下がり量:A壁(外装材の重量:48kg/m2)】

上記の静的加力試験と震動台実験により、外張断熱工法の外壁の垂れ下がりと地震時における損傷の程度などについて検証を行った結果、外張断熱工法の外装材支持耐力特性に問題がないことが確認されました。